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はじまり

チャレンジドのはじまり

おもしろがることからはじめよう

  • うちの息子は変わり者だけど、歌やダンスが大好き
  • 舞台を見ていて、自分もやりたいといって聞かない
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私たちは、2002年夏から2年ごとに、市川で三世代市民によるミュージカルを主催してきました。

その第2回公演に、二人の障がいのある子どもが参加しました。いろいろ不安やもめごとがあったものの、ともかく子どもたちは元気に演技を終えて、観客からの万雷の拍手に酔ったのです。

それを見ていた親から、
「うちの子どもにもやらせてみたい」
という声が起こりました。

「うちの息子は変わり者だけど、歌やダンスが大好き。舞台を見ていて、自分もやりたいといって聞かない」
というのです。

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障がい者を真ん中にしたミュージカル・・・「面白いかも」という軽い思いつきで始めたはいいけれど、障害者福祉に関しては素人の団体でしたから、はじめはオロオロ、わからないことだらけでした。

いろいろな団体に協力を呼びかけて、賛同の輪が広がりました。
助成金もつきました。

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最初に乗ってくれたのが障がい児の親の会「市川手をつなぐ親の会」の皆さんでした。指導者やサポートスタッフは口コミで、参加者は特別支援学校や関係団体に募集チラシを配布して公募しました。

「あれよ!あれよ!」と思ってる内にどんどん参加希望者が増えていきました。いろんな学校やいろんな施設に通っている子どもから青年まで、誰もが個人参加で集まってきました。

「みんなが求めていたんだなあ!」と痛感しました。

「こいつはすごいことになるぞ!」と体が震えてきました。

やりたかった ミュージカル
できなかった ミュージカル

ハンディのある人を真ん中に
みんなで楽しく ミュージカル!


チャレンジド - その後の経過

とんでもないエネルギーが生んだ、とんでもないミュージカル

第1回公演「ハクナマタタ」の成功は、私たちにとって、そして地域にとって大きな転機となりました。

「障害者がやるミュージカル?どうせ学芸会程度のものだろう。生温かく見まもってあげるとするか」

と思って観に来た人たちは、ひっくり返りました。

それぐらい、完成度の高い、お金を払って鑑賞するに足る芸術作品に仕上がっていたのです。

会場中が総立ちになって、一つになり、感動に包まれました。

鳴り止まない拍手に、出演者も、スタッフも興奮しました。

もちろん、それまでの道のりは、決して平坦なものではなく、関わるすべての人たちにとって、チャレンジの連続でした。

自分の殻を破ろうともがく子どもたち。どうやって関わったらいいかわからず、とまどう学生サポーター。

稽古場の確保、継続するための、資金や人材不足。。。

せっかく動き出した活動を、これっきりで終わらせてはいけない!

第2回「クライマイシャ」(2007年)そして第3回「タフタウェマ」(2008年)、続く2作品の上演を実現しました。

ひょんなきっかけと思いつきで始まった活動は、次第に地域を巻き込み、市民活動へと発展していきました。

「楽しい」「おもしろい」がキーワード

なぜこんなに多くの人が賛同してくれたのでしょうか。

チャレンジド・ミュージカルには不思議な、関係する誰をも幸せにするエネルギーがあります。これほど微笑ましくて、それでいて挑戦的な、刻々と変わる変化が人間的な成長となって現れる、共感と愛情に満ちた現場は、そうありません。

なぜだろうと自問します。それは、

「障がい者のために」とか、「しなければならない」という意識よりも、

みんなが純粋に「面白いから」参加しているからだ
という答に行き着きます。

原点に「面白い」を置くことで、「面白い、楽しいが大好き」な同士が、引き寄せあうように集まってきたのです。

「面白い」からこそ毎週1回、4ヶ月に及ぶ稽古を重ね、会場いっぱいのお客様に見つめられる中で演技して、その瞬間自分がたくさんの人間と向き合っている実感を得るのです。

何かが変わらない訳がありません。

面白いことには人が集まる

楽しいことは人を元気にする

福祉と文化が溶け合ったコミュニティづくりへ

チャレンジド・ミュージカルの取り組みは、いつの間にかいろんな人たちを巻き込んで、大きな輪に発展していきました。

福祉関係団体の協力はもちろん、地域の青少年育成団体、稽古場会場として場所を提供してくれた学校、音楽やダンスの指導に関わってくれたアーティスト、舞台に必要な道具や衣装づくり、口コミで手伝いに来てくれた地域の人々。。。

障害がある人もない人も一緒になって、文化・芸術的な創造活動の喜びを謳歌しあいました。

「こういう場所って居心地いいな」「こんな活動が、地域全体に、いや全国、うーん、いっそのこと全世界に広まって、みんなが気持ちよく暮らせたらいいな」。。。

そんな夢物語は次第に現実味を帯び、「福祉と文化・芸術活動が融合したコミュニティーづくり」・・・「チャレンジド・アーツ・ネット構想へと発展していきました。

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練習風景